科学研究の統合性改革推進における中国の資金援助システムの役割

Policy ForumにおいてLi Tangは、中国における科学研究に対する資金援助システムが、科学に関わる不正行為を防ぐために、また中国における科学研究の統合性を高めるために、より大きな役割を担う必要があると論じている。中国の科学研究助成制度は、政府が主に資金提供をしているが、急速に成長しつつある研究開発の企業が、世界の科学界に対して継続的に影響を及ぼす上で好位置を保っていく上で重要な役割を果たしている。しかし、中国の研究施設に所属する著者らによる科学論文で、撤回される件数が増加しつつあることに示されるように、中国の資金援助プログラムが、問題のある科学研究あるいは偽りの科学研究を促進してもいることは、広く認識されるようになった。Tangによれば、他の国とは異なり、中国の著者らが所属する研究組織は、不正な研究について研究者に教えたり外部に公表したりしたがらないようである。それにもかかわらず、中国の科学界はここ数年、研究の統合性を高めることに関して前向きの姿勢を取ってきた。今回Tangは、研究の統合性を高めるという継続的な使命において取り組む必要のある5つの障害を特定した。これには、制裁と執行の手段が限られていること、ならびに処罰がいかになされるかについて不確実であることや、誰が責任を担うべきかについて不確実であることなどが含まれる。Tangはまた、これらの問題を改善し、そうした取り組みにおける資金援助機関の役割を強化することを助けるための、いくつかの提案も行っている。