News Release

火山噴火予知がより確実に:含水量で火山弧のマグマ溜まりの深さが決まる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

火山噴火予知がより正確で信頼できるものへと一歩前進するかもしれない。主に火山噴火を引き起こして活発化させるのは水だった。新たな研究によって、活火山弧の下のマグマ溜まりの深さと水、具体的に言うと、マグマに含まれる水の量が結び付けられた。これまで、マグマ溜まりの深さは主に岩石に囲まれたマグマの中立浮力に左右され、溶融状態のその岩石質物体つまりマグマは周囲の地殻より浮力が大きいために、地殻の割れ目を通って上昇すると考えられていた。しかしその説は今回の研究結果によって否定された。マグマ溜まりの深さに対する物理的制約の解明は、活火山弧についての物理学に基づいた噴火予測モデルの精度向上に不可欠である。マグマは地殻深部に蓄積されており、しばしば何らかのきっかけで噴火して地表に出てくる。しかし、マグマ溜まりの深さが何に左右されているかは依然としてほぼ分かっていない。火山弧マグマ ―― プレートの沈み込み帯で発生する ―― の深さは非常にばらつきが大きく、地下およそ0~20キロにある。一般的に、この深さはマグマの浮力によって決まると考えられていた。この通説は大洋中央海嶺の火山の下のマグマに関しては厳密な評価がなされてきたが、非常に活発な火山弧の下のマグマに関してはほぼ未検証のままになっている。Daniel Rasmussenらは、アラスカのアリューシャン列島の活火山弧の下のマグマ溜まりの深さを地球物理学的に観測した結果と、マグマの含水量の新旧の観測結果を比較し、マグマに含まれる水分量でマグマ溜まりの深さが決まることを発見した。マグマは含水量が多いほど深部に蓄積される傾向が見られた。Rasmussenらによると、これらのマグマの水の脱ガスによってマグマの粘性が変化し、それによってマグマは浮力を残した深さで上昇が止まるという。この結果により、マグマが蓄積されている場所でマグマが持つ浮力は噴火時にマグマを上昇させる駆動力に加わることが示された。


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