News Release

「キーストーン」遺伝子が実験的食物網において種の多様性を調節する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究室において捕食昆虫カリバチ1種、草食昆虫アブラムシ2種、および植物シロイヌナズナ(Arabidopsis)を含んだ実験的食物網を検討したMatthew Barbouらは、シロイヌナズナの単一遺伝子が食物網全体における絶滅リスクと生物群集の崩壊に影響を及ぼし得ることを見出した。一つの生態系においてその構造や生存に重要な役割を果たすキーストーン種と全く同様に、この「キーストーン」遺伝子は食物網の持続にとって必須のものである。今回の研究結果は、特定の種が共存している理由の説明を助けられるものであり、「特定の遺伝子バリアントが生態系に及ぼす影響を追跡することは、絶え間なく変化し続ける世界において遺伝子および種の多様性を保存するために我々の行動変容をもたらす可能性を有している」と、著者らは記している。Barbourが実験した食物網において、シロイヌナズナの植物防御機能に用いられる代謝物の産生に関与する遺伝子AOP2の機能喪失変異が、食物網の持続性に大きな影響を及ぼし、種の絶滅率を大幅に低下させた。このバリアントを有する植物は生長が速く、これに伴ってアブラムシとカリバチの成長も速まった。関連するPerspectiveで、Patrik NosilとZach Gompertは今回の研究結果について論じている。


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