News Release

生体分解性ワイヤレス生体電子工学デバイスによる一時的な心拍のモニタリングとコントロール

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

心拍のコントロールおよびモニタリングのための最小侵襲デバイスに対するアンメットニーズに取り組むことを目的とした概念実証研究において、心拍数の一時的なモニタリングとコントロールができる、生体分解性ペースメーカーを含むワイヤレスデバイスネットワークを開発した。この技術はワイヤレスであるため、植込み型デバイスに共通するドライブライン感染症リスクなどの欠点や、例えばペースメーカーのリードやバッテリーの抜去・交換のための手術の必要性を回避できる可能性がある。心拍の電気的ペーシングを行うために用いられるほとんどの医用デバイスは、特に心臓手術を受けて回復期にある患者に対する一時的な対処法として、皮膚を貫通するワイヤーリードを用いた、体外の出力・制御システムと体内に植え込んだハードウェアの組み合わせを必要とする。こうしたデバイスは、感染症リスクを伴い、患者の可動性を制限するとともに、手術による抜去が必要となるため、さらなる合併症リスクをもたらす可能性がある。今回Yeon Choiらは、心拍のモニタリングとコントロールのための生体分解性閉鎖ループワイヤレスマイクロ生体電子工学システム(Bio-MEMS)のデザインを発表した。Choiらは水溶性金属と生体分解性ポリマーを使用して、心外膜ペーシングのために皮膚を通してワイヤレスで動力が供給される、完全に埋没させる生体吸収性のモジュールを作製した。リアルタイムのデータ視覚化とアルゴリズムによるコントロールを行うため、同デバイスは皮膚表面インターフェイスセンサーの統合的ネットワークを備えており、これによりデータを収集し、Bluetoothを介して体外のコントロールモジュールにデータを伝達する。治療が済むと、体内のモジュールは吸収され、皮膚表面インターフェイスモジュールは皮膚から剥がして抜去されるため、手術による抜去は必要ない。著者らは概念実証を行うため、ラット、イヌおよびex vivoヒト心臓を用いた実験を実施して、このデバイスによる心臓ペーシングのモニタリングとコントロールを試みた。「規定された生体シグナルに対する電子パルスを誘発することで、ヒト機械インターフェイスに新たな複雑性の要素が付け加わる。しかし、このような複雑な問題を抱える技術を、すぐに臨床診療で展開できるだろうか」と、Wolfram-Hubertus Zimmermannは関連するPerspectiveで記している。「対処すべき多くの重要な問題点がある。例えば、得られたデータがどれほど信頼できるものなのか?安全性と有効性がいかにして保証されるのか?そして、誤用をいかに予防できるのか?」


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