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古代DNAにより、ミクロネシアへの移住と家の中核を女性が担う社会構造の起源が判明し、ミクロネシアが近隣の太平洋南西部とは異なることが示された

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

ミクロネシア ―― 太平洋西部に点在する約2,000の島々 ―― の古代および現代のDNAを解析した結果、近隣の太平洋南西部のものとは異なるこの地域独自の移住と人口のパターンが明らかになった。今回の研究結果では、ミクロネシアには東南アジアの島々から5回にわたって継続的に人々が移住して来たことが示された。さらに初期のこれらの移住は、男性が妻を見つけようと移り住み、妻の家族とそのコミュニティーに居住するという家の中核を女性が担う社会構造を特徴とする母方居住であったという。考古学的エビデンスでは約3,500年前に広大なミクロネシア地域に初めて人々が到達して居住し始めたことが示されているが、ゲノムデータが少ないため、これらの人々がどこから移住してきたのかはよく分かっていない。それにもかかわらず、ミクロネシアの遺伝史は太平洋南西部やポリネシアの遺伝史と類似すると考えられることが多い。今回、Yue-Chen Lui、David Reichらは2,800~500年前の先史時代の複数の時期を代表するミクロネシア一帯の5つの異なる遺跡発掘現場で発見された164の古代人のゲノムと同じ地域の112の現代人のゲノムの分析を行った。Luiらはミクロネシアには5つの別個の移住があったことを発見した。3つは東アジア、1つはポリネシア、1つはニューギニア本土と関連するパプアに起源があるとみられる。また、今回の研究結果によると、マリアナ諸島の人々はリモートオセアニアでは唯一パプア人祖先を持たない人々だと考えられるという。ミクロネシアの遺伝的祖先は太平洋南西部の遺伝的祖先とは異なると同時に、母系ミトコンドリアDNAはリモートオセアニアの島々の間で非常に大きな違いがあるものの、各島々においてはそれら同士は似ていると著者らは述べている。これらの発見は、この地域に最初に移住した多数の人々が母方居住であったことを示唆している。


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