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合成遺伝回路を操作して植物の根の成長を再プログラムする

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究によると、植物の根組織における空間的な遺伝子発現パターンを人工的に制御することで、根の成長の各特徴を「再プログラム」できるという。「つまり、気候変動が進み、農業における新しい解決策が求められる今、植物の新規形質をプログラムする方法はますます有用になるだろう」と著者らは述べている。遺伝回路を操作することによって、遺伝子発現パターンを調整し、特定の形質の発達を促すことが、長年にわたる合成生物学の目標だった。例えば植物では、こうした手法を用いて根の成長を予測可能な方法で変えることができれば、根が重要な土壌栄養に到達し、干ばつ中も水を得ることができるようになる。この目標に向けた一つの手法が、合成遺伝回路(転写および転写後の調節を通じてつながるよう操作された遺伝子のネットワーク)である。合成遺伝回路は、さまざまな原核細胞系や真核細胞系に実装されてきたが、植物の場合は、遺伝子導入系を作るのに時間がかかり、細胞型が多様で回路動作を調整するのが難しいため、実装は困難だった。Jennifer Brophyらは、合成転写調節因子の一群を作り、その因子を使ってシロイヌナズナの根組織における遺伝子発現を制御した。Brophyらは、この手法を使えば、通常の植物の成長にかかわる特徴に影響を与えることなく、根の発達を再プログラムして、側根の密度を予測可能な方法で変えられることを示した。関連するPerspectiveでは、Simon AlamosとPatrick Shihが「Brophyらの研究成果は、今後、植物だけでなくより広く他の複雑な生体系に対して、組み合わせ回路の実装・翻訳が成功するかどうかの鍵を握っている」と述べている。「今回の取り組みは、完全に発達した多細胞生物全体の遺伝子操作において画期的なものであり、それと同時に今後の課題も示している。」


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