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シロアリによる木材腐敗は温度感受性が高い

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

地球温暖化に伴って木材の分解にシロアリが果たす役割はますます重要になり、それは今後の地球の炭素循環に対して重大な結果をもたらすだろうと研究者らは報告している。世界中の林床には枯死して腐りかけている木質バイオマスが散乱しており、それらは地球の炭素循環で重要な役割を果たしている。森林の炭素貯蔵は生物による枯死木の分解速度に依存する部分があり、これは気候によって異なる。微生物がおそらく世界的に最も重要な分解者だというのが一般的な認識ではあるが、シロアリなどの他の動物も熱帯では、特に地域規模で、木の分解にとって不可欠である。微生物による木材腐朽の速度が気温や降水量といった気候条件の変動にどう反応するかはこれまでの研究で示されてきたが、シロアリの気候感受性について分かっていることはそれよりはるかに少ない。その知識は枯死木の炭素貯蔵に対する気候変動の影響を予測するのに必要である。これに対処するため、Amy Zanneらは南極大陸を除く全ての大陸の133地点で反復実験を行い、微生物とシロアリの両者による木材分解の気候に関係する変化を定量化した。彼らは、気候はどちらにも影響を及ぼすが、気温への感受性はシロアリの存在と活動の方が高いことを発見した。この研究結果によると、シロアリが関係する木材腐敗は気温が10℃上昇するごとに6.8倍以上増加したという。シロアリによる木の発見も腐敗も気温感受性が高いことを考えると、温暖化する世界でシロアリの分布域は拡大し、シロアリは地球の炭素循環においてさらに重要な勢力になるだろうとZanneらは述べている。


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