DIANA(direct imaging of neuronal activity、神経活動の直接イメージング)と呼ばれる新しい非侵襲的神経イメージング法が、生存マウスの脳内の神経活動を高い解像度で直接マッピングできることが報告された。研究の著者らによれば、神経活動をこのような高い空間的・時間的分解能で直接的に画像化する能力は、脳の機能的組織を通常の精神プロセスに相当するスケールでより深く理解することで、脳科学の新たな道を開く可能性がある。血中酸素濃度依存性(BOLD)効果を用いた機能的磁気共鳴画像法(fMRI)の開発は、ヒトの脳とその認知機能がどのように機能しているのかに関する理解に革命をもたらした。しかし、ぼやけたレンズを通して見るように、この非侵襲的な方法は、特定のニューロン活性化の時間と位置を正確に示すことができる能力に限界がある。これは主に、神経活動の基礎的な代替指標として、脳の複雑な血管構造における血液酸素化の変化に依存しているためである。Phan Tan Toiらは、fMRIの神経活動を直接画像化する方法、DIANAを発表した。Toiらによると、DIANAは、活性化ニューロン集団の細胞内電圧をミリ秒の精度で反映するシグナルを提供でき、それによってBOLD-fMRIの間接的な生理学的限界を克服している。このアプローチを実証するために、Toiらは、麻酔マウスでウィスカーパッド刺激時のin vivoマウスイメージングを実施し、その結果、機能的に定義された神経経路を介したニューロン活性の迅速かつ連続的な伝播を検出することができた。関連するPerspectiveで、Timo van KerkoerleとMartijn Cloosは、この新しいアプローチの可能性と限界、そして残された技術的課題を取り上げている。「現在BOLD-fMRIの制約となっている時間的・空間的障壁を取り除くことができるDIANAの能力には、精神的処理の詳細な計算機構を、それが展開する速いペースで明らかにできる、わくわくするような可能性がある」とKerkoerleとCloosは述べている。
Journal
Science
Article Title
In vivo direct imaging of neuronal activity at high temporospatial resolution
Article Publication Date
14-Oct-2022