News Release

生殖細胞系を標的としたHIVワクチンはヒトにおいて広域中和抗体前駆体を誘導する

Summary author: Walter Beckwith

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

第1相臨床試験により広域中和抗体(bnAb)HIVワクチンについて有望な結果が得られたことが、新たな研究で報告されている。このfirst-in-humans試験の結果は、HIVやその他の難治性病原体に対する生殖細胞系を標的としたワクチンデザインの臨床的な原理実証を確立するものである。予防的HIVワクチンは、HIV/AIDSのパンデミックを終息させるために、緊急に必要とされている。多様なHIV株を普遍的に認識でき、感染を防ぐことのできる広域中和抗体(bnAb)の産生を促すワクチンは、理想的な解決法となり得る。しかし、ワクチン接種によるbnAbの誘導は、依然として可能ではない。この目的を達成する上での重要な課題の一つは、感染時にbnAbが発現することは稀であり、ヒトにおいてbnAb前駆体B細胞が比較的稀なことである。効果的なbnAb HIVワクチンには、生殖細胞系を標的とすることでHIV bnAbを産生させるために、稀なbnAb前駆体を動員することが必要とされるだろう。今回David Leggatらは、無作為化二重盲検プラセボ対照第1相試験の結果として、生殖細胞系を標的としてプライミングする免疫源は安全かつ使用可能であり、ワクチン接種を受けた27例中26例(97%)でbnAb前駆体を発現させる免疫応答が誘導されたことを紹介している。Leggatらは、生殖細胞系を標的とする自己集合ナノ粒子免疫源であるeOD-GT8をデザインした。これは、稀なbnAb前駆体を動員する目的で親和性を高めるためにデザインされた複数の変異を有する、人工HIVエンベロープタンパク質のコピー60個を提示するものである。関連するPerspectiveでPenny Mooreは、「Leggatらにより報告された臨床試験は、生殖細胞系を標的とするという考え方を支持する、説得的な臨床データを提供している」と記し、今回の研究結果とその限界について詳細に論じている。


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