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安価でシンプル、大型設備も薬品も不要な方法で、金属とプラスチックを接合 ~亜鉛めっき鋼を熱水に浸け、溶融樹脂と接合~

Peer-Reviewed Publication

Institute of Industrial Science, The University of Tokyo

image: Researchers at The University of Tokyo develop a simple but effective method of bonding polymers with galvanized steel, a material ubiquitous in the automobile industry, to cheaply and easily create a lightweight and durable product. view more 

Credit: Institute of Industrial Science, The University of Tokyo

東京大学 大学院工学系研究科 博士課程の陳 偉彦 大学院生、同 生産技術研究所の木村 文信 助教、梶原 優介 准教授は、亜鉛めっき鋼を75℃の熱水に浸漬することで、亜鉛めっきの表層にナノスケールの針状構造を無数に作製し、そこに溶融した樹脂を流し込むことによって、亜鉛めっき鋼とプラスチックを接着剤レスで強固に接合する技術を開発しました。

自動車で多用される亜鉛めっき鋼とプラスチックを接合する技術は、車両の軽量化に向けて必要不可欠な技術です。しかし、厚さ数十µm(マイクロメートル)の薄いめっき層を破壊せずに、亜鉛めっき鋼とプラスチックを直接接合することは非常に困難でした。

本研究では、亜鉛を熱水と反応させると、直径数十nm(ナノメートル)の針状構造が無数に生じることに着目し、射出成形法(注1)によって溶融樹脂を針状構造の奥まで流し込むことで、引張せん断強度(注2)20 MPa(メガパスカル)以上の強固な接合を実現することに成功しました。亜鉛めっき鋼とプラスチックを、射出成形を利用して高強度で直接接合した例は初となります。大型設備が不要なうえ、薬品を使わずに工程を進めることができるため、製造ラインへの導入が容易です。特に次世代電気自動車(EV車)の車体や部品の金属樹脂接合部への本技術の導入が大きく期待されます。

本研究成果は、2022年12月1日に「Journal of Manufacturing Processes」に掲載されました。


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