News Release

エクソンモービル社が独自の地球温暖化予測によって気候温暖化を予測していたことが定量的分析で示された

Summary author: Walter Beckwith

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しいReviewによると、1970年代後半から1980年代前半にかけてエクソンモービル社の科学者が社内で使用していた気候モデルは、化石燃料の燃焼による地球温暖化を正確に予測できる巧妙なモデルであり、その予測結果は学術界や政府が独自に作成した当時の気候モデルの結果と一致していたという。エクソン社は1970年代から地球温暖化の脅威を認識していたと広く報じられているが、プレスパッケージ内の関連するプレスリリースによると、「今回の研究は、同社による初期の気候科学研究を定量的に評価した初の研究である」という。2015年に明るみになった一連の社内文書では、エクソンモービル社の科学者が遅くとも1977年から、同社幹部に人為的気候温暖化の危険性について情報を提供してきたことが示されている。しかし、これらの文書の本文は詳細に調査されているものの、将来の温暖化を明確に予測したこの文書の数値データや図表データにはあまり注意が払われてこなかった。今回のReviewでは、Geoffrey Supranらが、エクソンモービル社内の気候モデル予測(産業界屈指の情報量と頑健性を備えた予測)の精度を体系的に評価し、その性能を学術界や政府のモデルと比較した。Supranらは、1977~2002年にエクソンモービル社の科学者が作成した32の社内文書と、1982~2014年に同社の科学者が執筆または共同執筆した72の査読済み科学論文を分析した。このデータセットは、すべて公に入手可な社内文書と同社が公開した研究論文に基づくものである。分析の結果、エクソンモービル社の科学者がこの期間中に報告した気候予測は、その後の地球温暖化を正確に予測していたことがわかった。このことから、同社は気候変動について学術界や政府の科学者と同程度に理解していたにもかかわらず、温暖化に対する懐疑論や否定論を積極的に広めていたことが示唆される。「今回の分析結果は、エクソンモービル社が人為的温暖化の脅威を正確に予測していたという学者、ジャーナリスト、法律家、政治家などの主張を裏付けるものであり、定量的な正確性を高めるものである。こうした予測が、温暖化対策を遅らせるためのロビー活動やプロパガンダキャンペーンに先行および並行して行われていることから、学者らの主張は間違っているとするエクソンモービル社とその擁護者の言い分は通用しない」とSupranらは述べている。


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