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保存状態のよい化石群集は「大絶滅」後に海洋生態系が急速に回復したことを示唆している

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

中国で非常に保存状態のよい化石群集が発見されたことにより、「大絶滅」とも呼ばれるペルム紀‐三畳紀の大量絶滅(PTME)の後、現在見られるような海洋生態系が、これまで考えられていたよりも早くに出現したことが明らかになった。著者らは、今回の研究結果は「この回復に対する解釈の見直しを迫る」ものであると述べている。研究者のなかには、ゆっくりと段階的に回復したという説を提唱している者もいるが、今回の結果からはそうは考えにくいという。現在見られるような海洋生態系の構造は、約2億5200万年前のPTME発生後に出現したものである。PTMEによって、地球の生物の大部分が姿を消し、海洋種の80%以上が絶滅した。PTME後から前期三畳紀にかけて海洋生物が回復した時期は、進化的変化にとって重要な時期であり、この間に、現在海洋に広がる生態系の基礎が築かれたと広く考えられている。しかし、この重要な時期の海洋化石が相対的に少ないため、PTME後の海洋生物相の変化については、ほとんど解明されていない。今回、Xu Daiらは、中国南部の大冶層にある前期三畳紀の海洋化石鉱脈に、貴陽の生物相が細部まで保存されていたと報告している。約2億5080万年前に遡るこの海洋化石群は、既知で最古の中生代の化石鉱脈であり、PTMEからわずか100万年後の海洋生態系を初めて垣間見せてくれる。Daiらによると、貴陽の生物相からは、当時の海洋生態系がさまざまな捕食魚、甲殻類、アンモナイト、二枚貝からなる、非常に多様で栄養的に複雑なものだったことが分かるという。「貴陽の生物相をすべて調べたわけではないが、PTME後にゆっくりと段階的に回復したというモデルは適用できないことが判明した」と著者らは述べている。


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