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ケニア南西部で最古のオルドワン石器使用が確認され、Paranthropusもその地域では初めて発見された

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

ケニアのNyayangaでの新たな考古学的発見によって、オルドワン技術 ―― 判明している中で最古の先史時代の石器製作 ―― はこれまで考えられていたより古く、また、広く普及していたことが示されたと、研究者らは報告している。彼らが発見したオルドワン石器は、古代のカバなどの様々な食料の処理に使用されたもので、その年代は他のオルドワン石器の遺跡でのエビデンスが示唆するより少なくとも600,000年は古いと彼らは述べている。ホミニンのどの属がNyayangaのオルドワン石器を使用していたのかは依然としてわかっていないが、本論文の著者らは、同時期に生息していたParanthropusの化石がその遺跡で見つかったことに注目している。その化石の発見もまたケニア南西部では初めてである。これまで、約260万年前の最古のオルドワン石器の遺跡はエチオピアのアファール三角地帯に限られていた。それらの石器の出現は初期ホミニンの発展における画期的な技術進歩であった。原始的な物ではあったものの、意図を持って作られたこれらの鋭利な刃の石器は、地理的に広く拡散し、長く続いた最初の技術であった。オルドワン石器はHomo属のものとされることが多いが、この石器と時期的にも地理的にも重複する多数の他のホミニンもこの初期の石器を製作したり使用したりしていたと推測される。しかし初期のオルドワン石器の遺跡は少なく、それゆえにこの技術の出現、使用、分布についてはまだわかっていない。Thomas Plummerらは、ケニアのNyayangaで300~260万年前のオルドワン石器の遺跡を発見したと報告している。この遺跡からはオルドワン石器だけでなく、この石器と関係がある損傷のある化石骨も出土し、それはこの石器がカバ科やウシ科といった大型動物を解体するために使用されたことを実証している。さらに、この石器上の使用による摩耗痕は植物素材を処理していたことも示唆している。PlummerらはNyayangaのこの遺跡でHomo属の遺骸は発見しなかったが、Paranthropusの化石 ―― 大臼歯2個 ―― は発見した。そのうちの1つは明らかにオルドワン石器と関係があり、このことからParanthropusがこの石器を製作、少なくとも使用していた可能性が浮上した。「後期鮮新世に最古のオルドワン石器が地理的に拡散したことと、その石器が様々な用途に使用されていたエビデンスが新たに得られたことで、ホミニンの食生活と狩猟採集技術における初期の石器技術の適応上の強みについて解明が進む」とPlummerらは書いている。


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