News Release

地球の初期の熱水系に注がれた酸化流体

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

約40億年前のジルコンの分析から、科学者らは地球初期の熱水系の地球化学に関する理解について情報を入手し、地球最幼年期において無機化合物および生物誕生以前の有機物がいかにして形成されたかに関する知見を得た。初期の地球の熱水系に関する化学は、無機化合物と有機化合物の形成について理解するために重要であり、これら化合物は地球上で最終的に生命が発達するうえで非常に重要であると考えられている。しかしながら、初期地球の地質記録はそれほど存在しない。年代が地球の初期に遡る無機化合物であって、変化を受けていないものが不足しているため、高温の岩石圏流体の物理化学特性やこれら流体の地球内部との相互作用を理解することが困難である。ジルコンは非常に強靭な無機化合物であり、これが地球内部の奥深くで形成されるときに、その周囲の環境の同位体や元素に関する特徴が記録される可能性がある。Dustin TrailとThomas McCollomは、年齢が約40億年のジャックヒルズ産ジルコンを使用して、古代地球の熱水系の流体地球化学を調査した。種々の酸化還元状態の熱水流体において結晶化した合成ジルコンを使用して、彼らは、ジルコンの実験的較正法を考案して、熱水流体の酸素フガシティを定量化し、これから、8つのジャックヒルズ産ジルコンが39億年前に再結晶化したことを発見した。そして古代熱水流体の酸化還元状態が当時の上部マントルよりわずかに酸化されていたことを発見した。この発見から、これらの流体が触媒金属イオンおよび還元ガスに富む表面に到達し、生物誕生以前の有機合成や持続的な微生物活動に適した可能性のあるプールが表面に形成されていたことが示唆される。「TrailとMcCollomによって考案されたこの較正法を適用して、地球外の世界で発見されたものを含め、古代ジルコン内に閉じ込められた他の熱水系の地球化学を特性評価することができる」とLaura Rodriguezが関連するPerspectiveで述べている。「火星には古代の流体から変化を受けた岩石から生成されたジルコンが圧倒的多数存在すると予測されている。」


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