News Release

レーダー画像が金星の火山活動らしきものを記録

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

探査機マゼランから得られたレーダー画像群を新たに分析したところ、金星表面で活発な火山活動が起こっていると解釈できる証拠が確認されたという。画像群によって、金星表面における火口の形状の変化が明らかになり、研究者らはこれを、火山活動が進行中である証拠だと考えている。金星表面には多くの火山が確認されているが、最近の火山活動を示す証拠はこれまでなかった。それ故に、金星表面の地質学的に若い部分には火山に顕著な特徴が見られるものの、それが進行中の活発な火山活動の産物なのか、それとも既に停止した古代の火山活動の遺物なのかは不明であった。金星での火山噴火は観測されていないが、これまでの研究によって、金星表面のさまざまな場所で火山活動が進行中である可能性が示唆されている。しかし、金星の地球力学モデルでは、現在の金星の火山活動レベルについて異なる予測結果が出ていた。Robert HerrickとScott Hensleyは、1990~1992年に探査機マゼランが撮像した金星表面のレーダー画像を分析し、金星における火山活動の証拠を探した。マゼランはミッション中に、さまざまな軌道から金星表面をレーダーで撮像し、複数の地点を2年間に2、3回ずつ観測した。後に、そのうちのいくつかの場所は、火山活動が起こっている可能性があると確認された。データは自動分析できる形式ではなかったため、HerrickとHensleyはこれらの場所のフル解像度レーダー画像を手作業で分析し、マゼランが周期的に撮像したレーダー画像間に見られる地質学的特徴の変化を調べた。その結果、マゼランが8ヵ月間隔で撮像した2つのレーダー画像間で、大きさが増し、形状が変化したように見える火口(大きなマアト山系の一部)が確認された。火口隣接面の変化は、火口から出た溶岩流によって生じたものと考えられる。HerrickとHensleyは、観測されたこの変化を、金星で火山活動が進行中である証拠だと解釈している。


Disclaimer: AAAS and EurekAlert! are not responsible for the accuracy of news releases posted to EurekAlert! by contributing institutions or for the use of any information through the EurekAlert system.