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隠れた性質を示す警告シグナルが両生類の警告色の進化において重要な役割を果たす

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新たな研究から、進化に関する特に厄介な次の疑問に答える助けとなる結果が得られた:「捕食動物から逃れて生存するために鮮やかな体色を利用する動物種は、そのために見つけられやすくなったにもかかわらず捕食動物から避けられるようになるまで、いかにして生存し続けてそうした警告シグナルを発する体色を進化させるに至るのか?」。一連のモデルを比較した研究から、警告を発する体色のシグナルである警告色は、生物が逃げる時や隠れた性質を意図的に知らせる時にのみ色を見せるという、中間的な段階を経て現れる傾向があることが明らかにされた。捕食動物に捕食されることを回避するための進化的選択は、動物の体色パターンに大きな多様性をもたらしてきた。一部の動物種はカモフラージュ色を発達させて、環境に溶け込んで他の動物に発見されにくいようになった。また他の動物種は鮮やかな色を見せるという目立つ警告シグナルを進化させて、捕食しようとしてくる動物に対する防御として毒性や毒素、あるいは攻撃性を持っていることを大胆にアピールするようになった。この戦略は警告色として知られるものであるが、その進化的起源については十分に理解されていない。Karl Loeffler-Henryらは、警告色がどのように進化するのかを評価するために、警告色を持つことが知られている両生類1,400種以上と、9つの異なる一連の進化モデルについて大規模系統樹分析を行った。その結果、カモフラージュ色から警告色に直接移行することは稀であり、警告色にまで至るのは、最初は隠れた性質であったのが選択的に見えるものとなっていくという、中間的な段階を経てであるらしいことが明らかになった。この研究の著者らによれば、こうした隠れた性質を示す警告シグナルに接した捕食動物は、警告色を持つようになった変異体に対しても常に警戒するようになり、選択圧によって警告色に対して恒久的に回避するよう適応することになるという。「…動物の体色についての大進化研究において、捕食動物に対する防御の進化について理解を深めるためには、動物界において一般的に幅広く見られるが十分認識されてこなかった、こうした隠れた性質を示す警告シグナルの存在を考慮すべきである」と、Loeffler-Henryらは述べている。


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