News Release

氷河・積雪の融解を抑制!?雪氷藻類に寄生するツボカビの実態を解明

Peer-Reviewed Publication

Yokohama National University

image: A) Green snow, B) Red snow, C) Snow algae (members of the green algae), which are the main cause of green snow, and D) Parasitic chytrid infecting snow algae. Parasitic chytrids causes host death. view more 

Credit: Yokohama National University

「高山や氷河に出現するツボカビは雪氷藻類に寄生するツボカビである」ということを横浜国立大学大学院環境情報研究院の鏡味麻衣子教授ら及び千葉大学大学院理学研究院の竹内望教授の研究チームが明らかにしました。ツボカビは、カエルやプランクトンなど様々な生物に寄生する菌類として知られています。氷河や高山積雪のような寒冷環境では、その存在は確認されていましたが、何をしているのか明らかになっていませんでした。

本研究では、ツボカビが雪氷藻類に寄生している様子を捉え、その1胞子からDNAを抽出することに世界で初めて成功し、系統関係を明らかにすることができました。さらに、これらツボカビは、世界中の高山に存在しうること、雪氷藻類に寄生することに特化したグループである可能性を示唆しました。

近年、氷河や高山では、雪氷性の藻類の繁殖によって表面が色づき、融解が加速している事実が明らかになっています。その藻類にツボカビが寄生していることは、これらの藻類とツボカビの宿主―寄生者関係によって氷河や積雪の融解が抑制される可能性を示しています。

本研究成果は、2023年6月20日(ロンドン時間)に、Frontiers in Microbiologyよりオンライン公開されました。


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