単層WS2における運動量空間の谷(バレー)の概略図と観測結果 (IMAGE)
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TMDなどの超薄型半導体の原子構造は六角形であり、この対称性は運動量空間にも反映される。伝導帯(上)と価電子帯(下)はそれぞれ特定の点(K)で局所的なエネルギーの最小値と最大値が存在し、これは運動量空間における谷(バレー)として可視化される。量子力学の時間反転対称性により、一方の谷(バレー)で生じる現象は反対側の谷(バレー)で鏡像的に再現される。すなわち、K点で伝導帯のスピンが下向き(赤)である場合、K'点ではスピンが上向き(青)となるため、六角形の辺に沿って交互になった並び方となる。電子が運動量空間において同一の谷(バレー)に存在し、対応する正孔とスピンが一致する際に、明るい励起子が生成される。左回りまたは右回りの円偏光を用いることで、特定の谷(バレー)に明るい励起子を選択的に生成できる。挿入図は明るい励起子のエネルギー測定結果を示しており、Kの谷(バレー)とK’における対比を示す。
Credit
運動量空間図は、Bussolotti他 (2018年) Nano Futures 2 032001より改変。挿入図はZhu他 (2025年) Nature Communications 16 6385より改変。
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