News Release

農薬への慢性低用量曝露が野生湖水魚の寿命を短縮することが、中国拠点の研究で明らかに

Summary author: Walter Beckwith

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

中国を拠点とした新しい研究によると、規制の枠組みで安全とされる量であっても、農薬クロルピリホスに慢性的に曝露すると生理的老化が加速し、野生魚の寿命が短縮するという。この研究成果は、低レベルの農薬環境汚染が及ぼす長期的影響について懸念を提起するものである。従来、リスクの定義において、化学物質の安全規制は、高用量への短期曝露による急性の危険に基づいて行われてきた。この方法は即時の毒性を捉えるものであって、はるかに低濃度への曝露はほぼ無害であると仮定している。しかし、農薬のような低濃度の化学汚染物質は環境中に広く存在する。それにもかかわらず、慢性低用量曝露が野生動物の寿命に及ぼす影響は十分に理解されていない。低レベルの農薬曝露が野生魚にどのような影響を及ぼすかを評価するため、Kai Huangは、一般的な農薬であるクロルピリホスに低レベルで持続曝露している、中国の湖に生息する2万4388匹のカワヒラ属の魚(Culter Dabryi)を対象とした現地観察を行うとともに、長期間にわたり魚を同化学物質に制御した量で曝露させる室内実験を行った。Huangらは、農薬の影響を受けた湖の魚はテロメアが短くなること、および、若い個体が多数を占める不完全な個体群構造をしていることを見出した。これは低用量のクロルピリホスへの慢性曝露が、生理的老化の加速と寿命の短縮とに関連していることを示唆している。これらの研究成果は、室内実験でも裏付けられた。室内実験では、慢性低用量曝露が魚の生存率を低下させ、用量および生理的年齢に依存した影響を及ぼして、テロメアを劣化させることが明らかになった。こうした影響は急性の高用量曝露では見られないものである。「脊椎動物全般でテロメアの生物学的メカニズムが保存されているならば、こうした化学物質への慢性低用量曝露は、人間においても同様の加齢関連リスクをもたらし、加齢に伴う疾患の一因となる可能性がある」と、Huangらは述べている。


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