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高齢者では加齢に関連した炎症がCOVID-19感染症を悪化させる可能性がある

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

高齢者のSARS-CoV-2による重症度と死亡率が高いのは、炎症性老化(inflammageing)(加齢に関連した、炎症が全般的に増加する現象)に関係があるかもしれない。今回のPerspectiveでは、Arne AkbarとDerek Gilroyがこの可能性と、これに伴う影響を緩和するための戦略について議論する。炎症性老化は、少なくとも部分的には、炎症分子を放出する体の組織の加齢細胞の劣化(老化)に起因すると考えられている。炎症性老化による過剰な炎症と加齢した免疫系が相まって全体的な免疫を阻害し、それによって高齢者に対するワクチン有効性が低下する可能性があることを示す研究が増えている。AkbarとGilroyによれば、老化細胞死誘導薬で老化細胞の数を減らすか、抗炎症薬で炎症性老化を軽減することが、高齢患者のCOVID-19の転帰を改善するための有益な方法となり得る。またAkbarとGilroyは、ワクチンがこれらの炎症性環境でも有効かどうかについて疑念を呈している。「COVID-19に有効なワクチンの探索では、炎症性老化が関与する可能性がある高齢被験者におけるワクチン有効性の低下も考慮に入れるべきである。したがって、高齢患者のCOVID-19の有効な治療では、ウイルスに対するワクチン接種を補完するために、抗炎症、抗ウイルスレジメンを併用する必要があるかもしれない」とAkbarとGilroyは述べている。

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