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両生類は致死的な真菌に対する耐性を発達させたらしい

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

致死的な真菌病原体であるカエルツボカビ(Batrachochytrium dendrobatidis)に引き起こされる病気により、両生類の個体群は地球規模で脅かされ続けているが、新たな研究から、パナマに残存している個体群は数十年前に著しく打撃を被り始めてから、この真菌に対する耐性が高くなりかけている可能性が示唆された。この結果は、生物種が流行病からいかに立ち直るかの一端が明らかになった。10年以上前に、致死的な真菌病原体であるカエルツボカビが世界的に両生類個体群の減少をもたらした。この減少についてパナマの3ヵ所で詳細な研究が行われ、Jamie Voylesらはこれらの地域で追跡調査を行って流行後の長期分析を実施した。研究者らが改めてサンプルを採取した。その報告によれば、この研究で分析対象とされた12種のうち9種は、危機的な少数に減少したが、その後に回復した。2,000を超える診断用サンプル(両生類の皮膚スワブ)から、カエルツボカビの検出率は流行の発生以降に低下したことが示された。研究者らは、最初の流行時以降に、過去および同時代の真菌株と比較して、カエルツボカビの病原性が高まっているかを検討した。その結果、カエルツボカビの現在の菌株は増殖速度が速くなく、また両生類由来の免疫細胞に対する影響には、以前の菌株と比べて有意差は認められないことが分かった。 遺伝学的にも、過去の菌株と現在の菌株の類似性は維持されていた。そして、最初の流行以前に捕獲され飼育されていた曝露歴のないカエルでは、野生のカエルよりもカエルツボカビに対する抵抗性が弱いことが分かった。したがって著者らは、残存する両生類の野生の個体群は、カエルツボカビに対する耐性を発達させたと示唆している。James P. Collinsは関連するPerspectiveでこの研究を取り上げている。

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