News Release

世界の化石を分析すれば哺乳類の背骨の進化が分かる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

今回ついに哺乳類の脊椎が三段階を経て進化したことが、少なくとも腰椎を含めた進化について、これまでよりはるかに明らかになった。これは、世界を駆け回って原始時代の哺乳類の祖先たちの脊椎の化石を調べ、新しい統計解析法を適用した研究者チームのおかげである。彼らは、博物館のキャビネットの引き出しいっぱいに保存されていた背骨の化石(関連写真参照)まで分析の対象とした。哺乳類に特有の特徴として、爬虫類から明確に区別するものも含め、解剖学的に明確に区別される部位をもつ1本の脊椎が挙げられ、これによって速い走行から直立歩行に至る哺乳類に特有なすべてが可能になっている。しかし、哺乳類において何時また如何にして多様な脊椎が進化してきたのかは長らく不明であった。今回、この進化のプロセスをより明らかにするため、Katrina Jonesらは単弓類 ―― (現存する哺乳類の絶滅した先祖)について、場合によっては化石の測定と脊椎領域の再構成の両方を行って研究した。著者らの評価対象には、「舗装トカゲ(pavement lizard)」との別名をもつエダフォサウルスの化石が含まれた。この生物は、3億~2億8千万年前に生息し、背中に沿って「帆」を形成する驚くほど長い脊椎を有していた。著者らはトリナクソドンの化石の綿密な測定も行った。この生物はさらに後の時代、前期三畳紀に生息し、胸部(pectoral region)と呼ばれる新たな四番目の脊椎領域が認められた最初の生物群の一部であった。この生物や哺乳類の他の祖先に欠けていたのは、現存する哺乳類の背骨に特徴的な第五の領域、すなわち腰椎である。著者らによるこれらの種の再構成と分析により、単弓類の進化において前肢の構造変化が重要であったことが示された。この現象により、脊椎全体にわたる領域区分が進み、この変化は脊椎による支持を有する生物が変化し始める前からすでに生じていた。明確に区別される脊椎の各領域が発達した後、類縁の単弓類がさらに適応を進め、今日我々が知っているような、実に様々な形態を示す哺乳類に進化した。

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