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まれな変異が自閉症の重症度に与える影響が遺伝子解析で解明され始めている

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究チームが、2,300名を超える自閉症患者の遺伝子データを解析し、複数の自閉スペクトラム症患者の一連の遺伝子変異が症状の重症度にどのように影響を与えうるかを検討した。さらに研究が必要であるが、この結果から、自閉症の複雑な遺伝的原因、および変異と病態表現型(観察される影響)とのあいまいな関係が解明され始めている。自閉スペクトラム症は原因においても患者への影響においても複雑で多様な病態である。自閉症患者は、軽度の社会的欠損から重度の認知障害までさまざまな症状と表現型を示しうる。研究者は、自閉症には環境要因や複数のタイプの遺伝子変異を含む多くの寄与因子もあるのではないかと考えている。研究から、数千まではいかないが数百以上の遺伝子が自閉症の発症に関与していることが示唆されている。この遺伝的複雑性により、特定の変異が自閉症の個人にどのように影響を与えているかを理解する試みが困難になっている。Koireらは、自閉症症状とまれに変異する遺伝子のde novoミスセンス・バリアント(変異のタイプの1つ)の関係を検討することを決断した。Koireらは高度なコンピュータ予測法を用いて、自閉症患者2,384名と罹患していない同胞1,792名の遺伝子データとミスセンス・バリアントを解析した。実験から、予測した398遺伝子のミスセンス・バリアントが、ニューロンの発達、ニューロン間の連絡の活性、およびその他の神経系の重要な側面に関与する分子経路に影響を与えうることが明らかになった。また、最もよく表現型に影響を与えると予測されたミスセンス・バリアントを有する患者にはIQスコアが低い傾向がみられた。Koireらは、彼らの遺伝子技術が、研究者が複雑な遺伝的原因を有する別の病態における疾患関連遺伝子の研究と同定を行う際にも役立つだろうと述べている。

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