News Release

CRISPR遺伝子編集がまれな免疫不全症の治療を引き受ける

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

CRISPR Gene Editing Takes on Rare Immunodeficiency Disorder

image: Researchers have harnessed the CRISPR-Cas9 technology to correct mutations in the blood stem cells of patients with a rare immunodeficiency disorder; the engineered cells successfully engrafted in mice for up to five months view more 

Credit: Chris Bickel / <i> Science Translational Medicine </i>(2017)

研究者らが、CRISPR-Cas9技術を利用して、まれな免疫不全症の患者から得た血液幹細胞の変異を修正した。修正された細胞は、最長5か月間マウスにうまく生着した。この研究は、遺伝疾患を治療できる可能性のある強力な遺伝子編集ツールとしてのCRISPR-Cas9の道を開き、より幅広く利用できる遺伝子治療技術へと導くものである。CRISPR-Cas9は特に、ex vivo遺伝子治療を進歩させると期待されている。ex vivo遺伝子治療では、研究室で、患者の細胞にある疾患の原因となる変異を修正し、患者の体に戻す。しかし、患者のゲノムに他の変異を導入することなくDNAのミスを選択的に修正する科学者の能力には 、依然として課題がある。Suk See De Ravinらは、慢性肉芽腫症(CGD:生命を脅かす感染症が生じ、長期間抗菌剤を必要とすることが多い、治療法が限られた遺伝疾患)に、CRISPR-Cas9基盤を用いたex vivo遺伝子編集技術を適用した。CGDの原因は、免疫系が有害な細菌を破壊する際に役立つ重要な分子であるNOX2タンパク質の変異である。幹細胞移植がCGDの治療法となりうるが、 この手法には毒性と致死的な合併症のリスクがある。De Ravinらは、CGD患者から得た幹細胞のNOX2変異を修復し、抗菌機能が回復した免疫細胞に分化できることを確認した。マウスに移植したところ、修正された細胞集団は遺伝子編集を長期間維持し、副作用の兆候はみられなかった。さらに開発を行えば、CRISPR-Cas9をベースとした遺伝子治療は、CGD、そしておそらく他の血液疾患の新しい臨床戦略となるかもしれない。

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