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混合キメリズムにより免疫抑制の必要が少なくなるため、腎移植の長期転帰が改善する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

混合キメリズムとは、血液前駆細胞移植後にドナーとレシピエントの血液細胞の混合が継続することであるが、これにより腎移植レシピエントの転帰が改善し得ると、約50例の患者を対象とした新たな臨床研究により示されている。この結果から、持続的な混合キメリズムは、リスクのある免疫抑制療法薬レジメンの必要性を減らすことで、このような効果をもたらすことが示唆される。移植レシピエントは通常、臓器拒絶反応、移植片対宿主病、およびその他の免疫合併症を抑えるために免疫抑制薬に頼ることになる。しかし、こうした免疫抑制薬は多くの副作用、例えば毒性や感染症、がん、糖尿病、高血圧その他の疾患のリスク上昇などをもたらす。動物モデルを用いた研究や前臨床および臨床研究に基づき、Stephan Busqueらは持続的な混合キメリズム(循環血液細胞中に占めるドナー起源細胞が1%以上と定義)の確立により、同じドナーからの臓器移植片に対する免疫寛容が付与されるかどうかの検討に取り組んだ。免疫学的に完全にマッチしたドナーから腎移植および血液前駆細胞移植を受けた患者29例のコホートにおいて、24例が免疫抑制薬を完全に中止し、少なくとも2年間にわたり拒絶反応は発生しなかった。これらの患者の一部は、8年以上にわたり生存し、移植された腎臓が維持された。免疫学的にドナーと部分的にしかマッチしなかった患者22例の別のコホートでは、それほど頑健な結果は得られなかった。こちらのコホートでは、10例で免疫療法薬への依存を実質的に抑えることができたが、中止することはできなかった。

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