News Release

マジックを使って動物の認知についての隠れていた情報を明らかに

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

動物相手にトリックを仕掛けることで人間以外の動物の心における認知について新たな知見が得られるのか。PerspectiveではElias Garcia-Pelegrinらがマジック心理学に関する現在の研究の概要を述べ、動物における認知や知覚を研究するための枠組みとしてそれをどう利用できるかを明らかにしている。科学界ではマジック効果 ―― 観客の予測が外れるように考案された手品、錯覚、注意をそらせるといった心理的トリック ―― を利用した実験が人間の知覚、注意、認知の盲点を知る方法として使用されるケースが増えている。この方法から過去を思い出したり未来を予測したりする際の盲点を知ることができる。Garcia-Pelegrinらは、マジックの枠組みを動物の心理の研究にまで拡大することは様々な種における同様の現象の比較研究に役立ち、おそらく、動物のより複雑な認知能力を調査する方法もそこから分かってくるだろうと述べている、彼らによると、カササギやカケスといったカラス科の鳥など、動物の中には自分たち自身で「マジック効果」を仕掛けているように思われる行動を示すものがいる。たとえば、一部のカラス科の鳥は盗まれる可能性に対するミスディレクション目的で、はったりの貯蔵行動も取りながら食料をあちこちに分散して隠す。他者を欺くこの戦略は、ミスディレクションテクニックの中には人間での場合と同様に注意における認知の盲点を利用しているものがある可能性を示唆している。「動物、とりわけ、マジック効果で騙されるための必要条件を備えていると考えられる種が人間を欺くのと同じマジック効果で騙されるかどうかを研究することによって、注意、知覚およびメンタルタイムトラベルにおける認知の類似点と相違点の解明への方法が得られる」とGarcia-Pelegrinらは書いている。

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