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手に負えないT細胞が意図していたHIVワクチンの効果を複雑にする

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

マカクサルを用いた実験と多施設第1相試験によれば、Tヘルパー(TH)細胞の強力な反応の誘導(長い間HIVワクチンの望ましい目標であると考えられてきた)と複数の抗原の利用は、HIVのワクチン候補の有効性を妨げる可能性がある。これらの研究の結果は、機能するHIVワクチンを開発するための取り組みにおいて、活性化されたTH細胞の影響を研究者がどの程度慎重に考える必要があるかということを強調している。多くのHIVワクチン候補は、しばしばCD4 TH細胞の反応を刺激することによって、強力かつ持続的な抗体反応を誘導することを目指している。しかし、最近の研究で、この前提が疑問視されている。いくつかの研究でHIV特異的CD4 T細胞がウイルスに容易に感染されることが示され、以前の試験で、ワクチン候補が実際に一部の人のHIV獲得リスクを高めたことが示されたのである。Venkateswarlu Chamchaらは過去のマカクサルを用いた4件の研究の免疫化データを検討し、SIVワクチンが、ワクチン特異的Tヘルパー1型(TH1)細胞頻度が低い動物に対してのみ、防御を行えたことを発見した。具体的に述べると、ワクチン誘発性CD4 T細胞が結腸と頸部の粘膜組織に移動し、そこで生き残って大量のCCR5(HIVが免疫細胞に侵入するために利用する共受容体)を発現したことが観察された。Chamchaらは、刺激された細胞が、感染する新しい標的をウイルスに提供することで、ワクチンによる防御を抑えてしまう可能性があるという理論を立てた。

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