News Release

全胚スケールの1細胞空間的トランスクリプトミクスのための新しい方法「sci-Space」を紹介する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らが、従来の方法よりもはるかに大きいスケールで1細胞分解能と空間的不均一性を保持できる空間的トランスクリプトミクスの新しい方法である「sci-Space」を紹介した。この方法を利用して、発生14日目のマウス胚の全切片の1細胞アトラスが構築された。1細胞RNAシーケンシング法により、生物や複雑な組織がどのように発生しているのかに関する理解が大きく進んだ。細胞の空間的構成は正常な発生、ホメオスタシス、および病態生理学の中心であるが、多くの1細胞RNAシーケンシング法では、周囲との関係を示す重要な空間情報が失われる。細胞間の関係性の保持は、特定の一組の遺伝子や小さな組織領域に限定されうる。これらの課題を克服するため、Sanjay Sirvatsanらが、1細胞分解能を保持しつつ、大きなスケールで細胞の空間的関係性を明らかにできる空間的トランスクリプトーム法であるsci-Spaceを開発した。Sirvatsanらの方法では、バーコードを付けたオリゴ(短い、一本鎖の合成DNA)のグリッドを利用する。これはスライドからその上を覆う凍結組織切片の核へ移行させることができる。Sirvatsanらによれば、sci-Spaceで、スライドあたり数千の細胞の空間的起源とトランスクリプトームを明らかにできる。新しい方法を実証するため、Srivatsanらは、発生中のマウス胚にsci-Spaceを適用した。約120,000個の細胞の空間的座標および全体のトランスクリプトームを捉えることで、14日目のマウス胚全体の切片の空間的に解明した1細胞アトラスが組み立てられ、分化しつつあるニューロンを含む、さまざまな細胞タイプの空間的に発現された遺伝子が明らかになった。

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