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糖尿病治療を促進する方法

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

小規模な患者グループで、脳の電気刺激が血糖(グルコース)の代謝を制御し、インスリン感受性を高めることが明らかになった。この結果は、脳の線条体領域における化学シグナル伝達がグルコースの制御に重要であることを示す、ヒトでの直接的なエビデンスを提供しており、3000万人以上の米国人が罹患している2型糖尿病の革新的な治療につながる可能性がある。糖尿病患者は、ホルモンであるインスリンに対する感受性が低下しているため血糖値が高く、心疾患、脳卒中、他の重篤な合併症のリスクが高い。動物試験から、線条体領域における神経伝達物質ドーパミンがグルコース代謝を制御していることが示されているが、ヒトにおける直接的なエビデンスはない。今回、Kasper ter Horstらが、脳深部刺激法(DBS)と呼ばれる強力な技術を用いて複数の実験を行った。DBSは、薬剤耐性の強迫症(OCD) に対する安全かつ有効な治療法として登場した、電気インパルスを脳細胞に送達する方法である。ter Horstらは、2型糖尿病の肥満患者1例と糖尿病でないOCD患者14例にDBSを施行し、血糖値をモニタリングした。その結果、血糖値の変化に基づき、2つの患者群ともにDBS治療によってインスリン感受性が高まり、 糖尿病患者のインスリン要求性が非常に低下したことが示された。健康な人10例からなる別の群では、薬物により全身のドーパミン濃度を低下させると反対の反応が生じ、インスリン感受性が低下した。また、マウスでは、ドーパミン受容体を持つニューロンの活性化を促進すると、グルコース耐性とインスリン感受性が高まった。ter Horstらは、DBSが、インスリン感受性の低下を特徴とする糖尿病、肥満、その他の疾患の代謝的基盤に対処するための有望な治療ツールであると述べている。

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