News Release

更新されたアカゲザルのゲノムは生物医学上の有用性が高まる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らは最新のシークエンシング技術を用いて、生物医学研究において最も重要な動物モデルの1つであるアカゲザルについて、更新された、これまでよりはるかに完全なリファレンスゲノムを提示している。この拡張されたアカゲザルのリファレンスゲノムは、ヒト疾患の新たな非侵襲的モデルの発見・開発にとって、また臨床試験前に遺伝的変異が試験治療に及ぼす影響の評価にとって、有用となる可能性がある。アカゲザルは、生物医学研究において最も広く用いられている非ヒト霊長類であり、そのゲノムはAIDSの理解を深めるうえで、エボラワクチンの開発において、また自閉症などの神経発達障害に対する新規遺伝子治療薬の発見において、非常に重要な役割を果たしてきた。しかし、2007年にアカゲザルのゲノムについて初の全ゲノム解析が発表されて以来、ゲノミクス技術は大きく発展している。新たな技術と、シークエンシング技術における最近の進展を利用して、Wesley Warrenらはアカゲザルについてリファレンスゲノムのアセンブリを行い、更新を行った。著者らは、今回の新たに更新されたアカゲザルのゲノムアセンブリは、これまでのインドアカゲザルのアセンブリと比べて配列連続性を120倍も高め、以前のアセンブリにみられた欠落を99.7%以上にまで補っている、と報告している。Warrenらは、捕獲されたアカゲザル853匹から得た全ゲノムシークエンシングデータを分析し、その結果を新たなリファレンスゲノムと比較して、遺伝的多様性の解明を試みた。今回の結果は、ヒトの自閉症と発達遅滞と関連するものを含め、自然に発生する何千もの遺伝子バリアントと変異を明らかにした。

###


Disclaimer: AAAS and EurekAlert! are not responsible for the accuracy of news releases posted to EurekAlert! by contributing institutions or for the use of any information through the EurekAlert system.