News Release

ヨーロッパのネアンデルタール人は初期現生人類同様に海に依存していた

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい報告でヨーロッパのネアンデルタール人による海洋資源の利用について初の重要となる証拠が詳述され、ネアンデルタール人が海洋に適応していたことが実証された。適用の程度は、これまではアフリカ南部の同時代の現生人類にしか見られなかったレベルで、この結果によって、現生人類と進化上現生人類に最も近いネアンデルタール人を隔てていると考えられていた行動の格差がさらに縮まった。現生人類に関しては、沿岸適応はアフリカ南部にそのルーツがあり、160,000年前にまで遡ることが広く認識されているが、ネアンデルタール人が海産物料理に同様の関心を持っていたかどうかについては、様々な議論が交わされている。初期現生人類は海産物を摂取し、海産物に含まれる脳の働きを高める脂肪酸によって認知力の発達が促され、結果、200,000~25,000年前の中石器時代には様々な幅広い技術革新と文化革新が花開き、ひいては、現生人類はアフリカ以外にも拡散し、同時代のヒト族を打ち負かすことができたという説もある。一方、ネアンデルタール人の沿岸適応の考古学的証拠は事実上知られていない。João Zilhãoらはポルトガルの海岸にあるフィゲイラ・ブラヴァ遺跡での最近の発掘について報告している。その発掘で、最終間氷期にネアンデルタール人が海洋資源を体系的長期的に多用していたことを示す比類なく保存状態の良い記録が発見された。海岸にあるこの遺跡は約106,000~86,000年前のもので、海や陸の食べ物の残滓が豊富に堆積した貝塚があった。Zilhãoらによると、フィゲイラ・ブラヴァに住んでいた人々は中石器時代アフリカの現生人類と同程度に海に依存していたという。この結果により、漁師・猟師・採集民が拡散し、海に依存していた時期はこれまで考えられていたよりおそらく早いことが示された。このことを支持する証拠が今日までなかったのは、更新世に海面が上昇し、ヨーロッパ沿岸部のあちこちで同様の遺跡が浸水したせいと考えられるとZilhãoらは述べている。関係するPerspectiveではManuel Willがこの研究をさらに詳しく述べている。

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