News Release

矛盾:感覚ニューロンが少ないほど誘発されるかゆみは強い

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

At Odds: Less Sensory Neurons Induce Stronger Sensations of Itch

video: A video of an older mouse experiencing mechanical stimulation. The stimulation evoked scratching behavior in aged mice in a manner not observed in young mice. view more 

Credit: J. Feng et al., <em>Science</em> (2018)

矛盾:感覚ニューロンが少ないほど誘発されるかゆみは強い At Odds: Fewer Sensory Neurons Induce Stronger Sensations of Itch 人が年を取って皮膚が乾燥してくると経験するひりひりしたかゆみが、メルケル細胞の喪失によって生じる可能性があることが、マウスを用いた新しい研究で示唆された。Jing Fengらは、軽い機械的圧力でかゆみを誘発する、よく確立された技術を利用した実験を行っていたときに、高齢のマウスが、若齢の対照マウスよりも高頻度でより強く引っ掻くことに気付いた。Fengらは、皮膚の中に存在し触覚の伝達に重要な役割を果たしているメルケル細胞が犯人ではないかと考えた。(メルケル細胞は、機械的かゆみを制御することが示された、最近発見された脊髄中の受容体とほぼ同様な発火パターンを示す)。事実Fengらは、メルケル細胞数が少なくなるよう改変したマウスは、対照マウスに比べて、機械的に誘発したかゆみをより強く経験したことを明らかにした。一方、皮膚内にあるメルケル細胞の数は、化学的かゆみや熱痛には影響がなかった。ヒトは年を取るとメルケル細胞が減少する傾向があるため、Fengらは、自分たちの知見が、加齢と慢性掻痒で認められる、機械的かゆみの制御の喪失を説明できるのではないかと考えている。Amanda H. LewisとJörg Grandlが、関連したPerspectiveで、これらの知見について議論し、少ない感覚ニューロンが強い感覚と関連しているという考え方は、最初、直観に反すると思われたと指摘している。しかし、メルケル細胞が少ない生物では、かゆみの感覚が生じるとその領域をひっかいて圧力をかける動作が誘発され、残っているメルケル細胞を介して十分な活性を生じさせて不快な感覚を和らげているのかもしれない。彼らは、ヒトでこの現象を検討するためにはより多くの研究が必要であることを強調している。

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