News Release

関節炎患者が一般的な治療にどの程度反応するかを評価する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しいアッセイで、関節炎患者が関節炎薬アダリムマブにどの程度反応するかが正確に評価できる。この知見は、患者に対するアダリムマブの有効性を予測するために使用できる戦略であることを示している。関節リウマチ(RA)は、痛みのある関節炎症を特徴とする慢性疾患であり、米国の成人5440万人が罹患し、世界中の身体障害の主因となっている。この疾患は、炎症に関与するタンパク質である腫瘍壊死因子(TNF)を阻害する薬剤で治療できる。しかし、治療反応は患者によって異なり、TNFがどのようにしてRAを促進するのかを理解するための取り組みは、TNF阻害を受けている患者のTNF濃度を正確に測定することが困難なために複雑化している。今回、Lea Berkhoutらが、一般的に処方されるTNF阻害薬であるアダリムマブを用いたTNF阻害中のTNF濃度を定量する「薬剤耐性(drug-tolerant)」アッセイを開発した。Berkhoutらはアダリムマブ投与を受けたRA患者193例の検体を解析し、循環血中のTNF量が、安定濃度に達する前の最初の6ヵ月の治療中に50倍に増加したことを明らかにした。同様な影響はアダリムマブの投与を1回受けたボランティア30例にも認められ、循環血中のTNF濃度は治療中の疾患活動性と関係がないことが示された。また、治療4週間目の後のTNF濃度が低いと、この薬剤に対する抗体が多く、52週間後の寛解の可能性が低かった。Berkhoutらは、早期のTNF濃度を将来の患者の反応の予測因子として利用できると述べているが、今後、追跡期間の長い研究が必要である。

また、Berkhoutらの研究は、「治療中止に関する難問」を強調している(関連したtranscript参照)。「われわれは、循環血中のTNF濃度が通常、アダリムマブ投与中止後も半年間まで高いままであることを明らかにした。問題は、治療は本当はいつ終わったのか?ということである。これは寛解に達した時に治療中止の成功を評価することを目的とした切替試験を評価するときに重要である。また、感染症や手術の場合に一時的に治療を中止することの有効性に疑問を投げかけている。」

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