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太陽のように、他の恒星も両極より赤道のほうが速く自転している

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

ついに、太陽系以外にある太陽型恒星のスピン挙動について洞察が得られた。新しい研究の報告によると、太陽と同様に、両極より赤道のほうが速く自転している太陽型恒星が他にもあるという。こうして得られた恒星の自転に関する鋭い洞察は、恒星物理学(恒星にはたらく物理機構の理解に基づいた学問)のさまざまな取り組みに情報を提供するだろう。太陽表面の黒点の観察によって、赤道は両極よりも30%速く自転していることが実証されている。また太陽の音響振動の分析によって、この差動回転が内部深くまで続いていることがわかっている。それにより、太陽の構造について貴重な洞察が得られており、太陽磁場が持続する仕組みを説明できる可能性もある。しかし、他の太陽型恒星の自転特性についてはほとんどわかっておらず、この現象を調べる方法も限られている。星震学では、恒星の音響振動を観測することによって、内部の回転を探ることができる。Othman Benomarらは探査機ケプラーを使って、40個の太陽型恒星の星震を観測した。恒星内部を伝播する音波の共振周波数のなかで、Benomarらは回転の影響を受けやすい組み合わせを調べた。その結果、分析した一部の恒星で差動回転の痕跡が明らかになり、13個の恒星では緯度によって速度が著しく異なっていた。著者らの報告によると、特に信号が強い恒星の場合、赤道では中緯度の2倍近い速さで自転していたという。調査した恒星のなかで、赤道よりも両極が速いという逆のパターンを示すものはひとつもなかった。結論として、推測される緯度方向の剪断(シア)はこれまでの予測よりもはるかに大きく、理論モデルに課題を突きつけるものであった。

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