News Release

二つの顔のバランスをとる:ホルモンは血液量を安定させ、かつ赤血球を補充する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

Balázs Mayerらが、よく研究されているホルモンの驚くべき新機能を発見し、バソプレシンが、腎臓の体液バランスの維持以外のこと、すなわち赤血球産生の促進も行うことを明らかにした。Mayerらは、特定のバソプレシン受容体を標的とした薬剤が、外傷や化学療法後に赤血球を補充するために待ち望まれている安全な治療法となるのではないかと考えている。Mayerらはマウスモデルで、バソプレシンが、他のよく特性評価されているホルモン、エリスロポエチンよりも迅速に赤血球の形成を促進したことを明らかにした。Mayerらがバソプレシンのこの予期せぬ役割に目を付けたのは、中枢性尿崩症(ホルモン欠乏を引き起こす疾患)の患者92例の臨床データを検討したためである。中枢性尿崩症患者では男性の87%および女性の51%が赤血球欠乏性貧血であるのに対し、米国の一般集団の罹患率は男性の1.5~6%、女性の4.4~12%であった。Mayerらはさらに、造血幹細胞にはバソプレシンの3種類の受容体がすべて存在することも示したが、赤血球産生に主要な役割を果たしているのは、特定のタイプのタンパク質(AVPR1B)である。マウスに、外傷または放射線誘発性失血後に、バソプレシンまたは特異的なAVPR1B活性化因子を投与すると、マウスの貧血の回復が促進された。Mayerらは、バソプレシンは、エリスロポエチンが効く前に、短時間で赤血球産生を誘発すると述べている。

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