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生息地の連結により植物多様性は数十年で上昇する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

生息地連結性の回復は生態系の断片化で失われた植物多様性を回復させる有効な方法だと考えられる。生息地の喪失や分断化は世界規模で種を消失させる主要要因であり、世界の生物多様性にとっては大きな脅威の1つになっている。定評ある環境理論では、種の豊富さの保護と増大の両者において生息地の連結性が重要だと推測されている。したがって生息地連結性の拡大は、生物多様性の喪失を最低限にとどめ、絶滅によって減少していく種を守る鍵となる保全戦略である。しかし本研究の著者らによると、生物多様性の形成における生息地連結性の役割を正しく理解するために必要な再現性の優れた大規模で長期的な研究は少ないという。結果として、これらの理論的推測は実証が進んでおらず、断片化された異種の生息地を再連結することで生物多様性が増加するかどうかは分かっていない。Ellen Damschenらは18年間にわたって、分断されて孤立した生息地間の連結性を操作することで、植物の繁茂と生存に対する生息地連結性の長期的効果を評価した。彼らは、異種な生息地をコリドー(回廊)でつなぐことによって植物の絶滅可能性は年間で約2%下がり、新しい種の繁茂の可能性は年間で5%近く上がったと述べている。また、これらの効果はどちらも研究期間中を通して継続したという。約20年間の研究期間の終わりには、連結した生息地では連結していない生息地より14%多くの種が生息するようになり、この数は増え続けるだろうとDamschenらは述べている。今回の研究結果により、生息地連結性を高めることの長期的価値と生息地コリドーを正しく評価して世界の保全戦略に組み込む必要性が明確に示された。

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