News Release

複数の管理目標を達成してサンゴ礁の健康を最大にする

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究によると、管理戦略はサンゴ礁漁業や生態学的機能を保全する目標を達成するには有効だが、人間による圧力増加のせいで、サンゴ礁の多様性保全を達成するのは難しいという。地球のサンゴ礁は世界屈指の豊かな生物多様性を有するだけでなく、世界中の多くの人々に対して食料と生態系サービスも提供している。しかし、こうした脆弱な環境は気候変動や人間による圧力増加の影響を非常に受けやすい。その結果、世界中の多くのサンゴ礁が急激に衰退している。サンゴ礁の生態系を維持し、サンゴ礁に依存して生きている人々の暮らしを維持するためには、漁業、生態系機能、生物多様性といった社会的・生態学的な複数の目標を達成できるような管理ツールが必要である。しかし、生態系に基づくこの種の管理手法は、複数の目標を同時に評価および精査することが必要なため、どのように実施するのが最善かはよくわかっていない。Joshua Cinnerらは世界中の約1800ヵ所の熱帯サンゴ礁からデータを集めて、サンゴ礁の健康と利用状況を表す3つの主要な生態学的指標(サンゴ礁漁業、生態学的機能、生物多様性)に注目し、サンゴ礁の生態系がこれらの指標を同時に満たす条件について理解を深めようと考えた。具体的に言うと、Cinnerらは魚の生物量、ブダイの採食行動、全体的な魚の特性の多様性を調べることによって、3つの主要な特性をそれぞれ評価した。その研究結果から、人間による利用が少ない場合、3つすべての特性が最大化されて高い保全レベルになることが示唆された。しかし、この分析結果は、こうした管理を行えば漁業や生態学的機能の保全には大きな利益がもたらされるが、人間による利用と圧力の増加によって、高レベルで保護した場合でも、生物多様性の保全実現ははるかに難しくなることを示している。

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