News Release

サンフランシスコ・ベイエリアではシャットダウンで人為的騒音が減少、それにより鳥のさえずりの質が変化した

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究の報告によると、新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミック対策でシャットダウンが行われた結果、人為的騒音が減少し、カリフォルニアの一部地域では鳥たちがそれに適応してさえずりの質が向上したという。この結果は、サンフランシスコ・ベイエリアの都市部および農村部におけるCOVID-19パンデミックに対するシャットダウン前後のミヤマシトドのさえずりの評価に基づいている。本研究は、これまでに報告された地域的な鳥のさえずりの変化 ―― 鳴き声の質の低下、これはオスが自分の縄張りを守る能力に影響する ―― が実際に人為的騒音の増加に起因していたことの有力なエビデンスである。Elizabeth Derryberryらは、長年にわたってサンフランシスコ・ベイエリアの都市部および農村部のミヤマシトドの集団を観察してきた。彼らはこれまでの観察で、同地域で都市部の騒音レベルが上昇するにつれ(主な原因は交通量の継続的な増加)、ミヤマシトドのさえずりはより高い最低周波数を特徴とするものへと変化し、このことで、さえずりのパフォーマンスは低下するという代償はあるものの、より遠くまで声が届くようになっていたことを明らかにしている。彼らは今回、これらミヤマシトドのさえずりが2020年春のCOVID-19に対する州全体にわたる外出禁止令後にベイエリアで交通が中断した際に起きた騒音レベルの低下を受けてどう変化したのかを解明しようと、2015年4~6月の鳥のさえずりデータと2020年4~5月に同じ地域で録音されたものを比較した。後者群のミヤマシトドが受けた背景雑音は非常に少なく、鳴き声の振幅と最低周波数は低下しており、それらがさえずりのパフォーマンスの上昇につながったと彼らは報告している。こういった変化は都市部の鳥の方がはるかに顕著で、おかげで都市部の鳥たちは繁殖のための縄張り争いを戦う力がかなり強くなったとDerryberryらは推測している。今回の研究結果は鳥たちが環境の変化にいかに迅速に適応できるかを明らかにするとともに、パンデミックからの長期的な修復措置が種の多様性を高めるなど有望な他の結果につながる可能性も示唆しているとDerryberryらは述べている。

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