News Release

火星探査車「キュリオシティ」による初の重力測定、火星の地質に関するさらなる理解

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

火星探査車「キュリオシティ」の火星表面における動きおよび方向を検出するために通常使用される搭載装置を別の用途に使用して、重力場のわずかな変化を測定することによって、研究者らはゲイルクレーターおよびその中にある山がどのようにして形成されたかについて新たな洞察を得た。この新研究によると、この探査車が火星のこのクレーターの埃っぽい盆地を横断してゴロゴロ動く際にこの探査車によって得られた重力測定から、このクレーターの地下にある堆積物質が比較的多孔質であることが示唆され、このクレーターの床が数キロメートルの岩の下にかつて埋められていたとする理論が誤りであることが証明された。火星探査車「キュリオシティ」は、2012年に火星に降下して以来、乾燥した湖床である可能性が高いゲイルクレーター内の複雑な地形およびこのクレーター内にある高さ5キロメートルの山であるアイオリス山(シャープ山)周辺地域を調査してきた。シャープ山の起源については激しく議論されており、この山の頂上がゲイルクレーターの大部分の縁より高いので、このクレーターがかつては堆積物で満たされており、現在の地形は浸食作用の結果であると示唆する研究者らもいる。別の研究者らは代替モデルを主張しており、このモデルによると風に吹かれた堆積物がこのクレーターの中心に集められ、シャープ山が徐々に形成されて、現在の高さになったという。重力場のわずかな変化を正確に測定する重力測定を使用して、地下物質の密度を検出することによって山の重量を量ることができる。地上における重力探査を使用して、地球圏外の地形について計測されているが、それらは地球上でなされる場合ほど正確ではない。しかしながら、キュリオシティが火星に向けて出発した時、重力加速度測定装置を残してきた。Kevin Lewisらは、通常の操縦のために使用される一組の加速度計であるキュリオシティの慣性計測装置(RIMU)を再調整する方法を考案して、この探査車がゲイルクレーターおよびシャープ山のふもとを横断する際に、重力場の局所的な変化を測定した。キュリオシティのRIMUをこのように上手く利用することによって、浅くて多孔質な地下堆積物が発見され、Lewisらによると、このことによりゲイルクレーターのほんの一部だけがかつて過去において満たされていたことが示唆される。

###


Disclaimer: AAAS and EurekAlert! are not responsible for the accuracy of news releases posted to EurekAlert! by contributing institutions or for the use of any information through the EurekAlert system.