News Release

真に再生利用可能なプラスチックは近い将来に実現するのか?

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

繰り返し再生利用できる合成ポリマーの一種が開発された。プラスチックを再生利用する現行の取り組みはきわめて不十分なので、今回の成果は重要なものといえる。世界的にプラスチックの生産量は増加を続けており、2050年までに5億トンを上回ると予想されている。ほとんどのプラスチックが使い捨て用途で生産されているが、こうした材料は通常何世紀ものあいだ環境内に存在し続ける。生分解性プラスチックの開発に向けて、分解できるように作られたポリマーを利用して多大な努力がなされてきたが、いったん分解された化学成分は再生できなかった。一方で、既存のプラスチックを再使用する物理的な方法では、構成要素であるポリマーの品質が低下しやすい。それゆえに、化学的な再生利用はポリマーをモノマー成分に分解することで精製や再重合が容易になるので、非常に望ましい方法といえる。今回Jian-Bo Zhuらは、再生利用に適したいくつかの性質を示した既存のポリマーを選び、分子の特定の位置にある環を取り除くことによってそのポリマーを改良した。その後、彼らが確認した2種類の触媒は、十分な高温または低温において、ポリマーを非常に効率よく(約85%)分解してモノマー状態にすることができ、その段階でモノマーは再使用が可能だった。関連するPerspectiveでは、Haritz SardonとAndrew P. Doveが次のように述べている。「Zhuらが行ったような研究では、廃棄プラスチックをその性質に有害な影響を及ぼすことなく無限に再生利用できるので、寿命が尽きたプラスチックが廃棄物と見なされるのではなく、高価値の製品やバージンプラスチックを生み出す原料と見なされるような世界につながるだろう」。

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