News Release

高エネルギー望遠鏡でガンマ線バーストの残光を分析

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

ガンマ線バースト(銀河系外の銀河にある恒星が起こす非常に激しい爆発)の余波から発せられる、超高エネルギーのガンマ線が測定された。この研究結果は、非常に激しいにもかかわらず不明な点の多いこの宇宙事象を明らかにするものであり、またガンマ線バーストの残光段階における光放射の仕組みに関する標準モデルに異議を唱えるものでもある。死にゆく大質量星は苦しい臨終を迎えると、その中心核が崩壊して超新星爆発を起こす。ある種の超新星は光速に近い速度で粒子のジェットを噴出し、そのジェットがまっすぐ地球の方向を向いている場合は、数秒間続くガンマ線放射のバーストとして観測される。こうしたガンマ線バーストの後に、粒子のジェットが周囲のガスにぶつかることによって、弱い残光が数時間または数日続くことがある。H.E.S.S.コラボレーションは、ナミビアに設置されている5基のガンマ線望遠鏡群「高エネルギー立体視システム(H.E.S.S)」を用いて、ガンマ線バーストGRB 190829Aの残光を3夜連続で観測した。著者らは、ガンマ線バースト開始の4.3~55.9時間後に数テラ電子ボルトのエネルギー放射を検出し、固有の高エネルギースペクトルを測定した。この放射は、GRB 190829AからのX線放射と同様のスペクトル特性および崩壊プロファイルをもっていた。研究者らは、このスペクトル挙動はガンマ線バーストの残光に関する現行の放射モデルとは一致しないが、ジェットがより高速であるか放出粒子のエネルギー分布が異なるならば、この不一致を説明できると推測している。

###


Disclaimer: AAAS and EurekAlert! are not responsible for the accuracy of news releases posted to EurekAlert! by contributing institutions or for the use of any information through the EurekAlert system.