News Release

海面下のファイバー光学:地震を探知する新たな方法

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

海洋底に設置した光学ファイバーケーブルに地震が引き起こす変化をモニタリングすることは、地震を探知する新たな方法であると研究者らは報告している。このアプローチは、海底に新たな機器を設置せずに地震の探知を可能にするもので、それ以外の方法では地震モニタリングの困難な地域、例えば沈み込み帯や、地震計の置かれていない遠隔海洋地域などで地震を探知することができるようになる。地球表面の70%が水で覆われているにもかかわらず、ほとんどの地震観測所は陸地に置かれている。その結果、水面で発生した地震は大部分が検知されていない状態であり、科学者にとって水面下の地震活動の発生メカニズムを明らかにすることが困難となっている。これまでも科学者は、既存の光学ファイバーケーブルネットワーク(国際間および大陸間の遠隔通信を支える要)が、もし内部のファイバーを検知素子として用いるならば、地震検知能力を高める上で有用となり得ることを認識していた。今回Giuseppe Marraらは、海洋底の光学ファイバーケーブル内に地震が引き起こす「攪乱(disturbance)」シグナルを測定するという方法を報告している。このアプローチは、地震波によってファイバーに引き起こされる、いわゆる光位相変化を測定するというものである。著者らによれば、これにより地震波を検知できるだけでなく、地震規模の推定や震源の特定などが可能になるという。Marraらは、イタリア、ニュージーランド、日本やメキシコを震源とする最近の地震を対象にこの方法の評価を数回行い、この方法は地震活動や関連変数を、現地の地震計と同様に効果的に検知できることを示した。

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