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古代DNAにより中国の遺伝的歴史が解明

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究の報告によると、新たに配列決定された中国各地の26の古代ゲノムが解析されことで、東アジアのあまり知られていない遺伝的歴史で欠けていた重要な部分が埋まったという。その研究結果は新石器時代から現代までの祖先集団についての詳細な記録で、これによって東アジアの現代人集団に寄与した重大イベントが明らかになった。現在の地球人口の約4分の1を占める東アジアに住む人々は極めて多様で、その起源は何千年にも及ぶ幅広い民族および語族にある。ところが長きにわたって東アジアに人が住んでいたにもかかわらず、東アジアの人々の遺伝的多様性はあまり分かっていない。論文の著者らによると、現代人集団より祖先集団の方がはるかに遺伝的多様性に富んでいたことが考古学的発見で示されているにもかかわらず、現代の大半の研究が現代人集団の遺伝子データを使って東アジアの祖先のモデルにしているという。しかし、東アジアの古代DNAデータは少ないため、これら祖先集団の特徴を明確にし、彼らが今日東アジアに住んでいる人々にどのように影響を及ぼしたかを解明することは依然として難しい。Melinda Yangらは9,500年前から300年前に中国各地に住んでいた26人の祖先のゲノム配列を決定した。これらの新データの解析とこれまでに配列決定された世界各地の古代人と現代人のゲノムから、人々が東アジアに入って拡散した動きの複雑な歴史が明らかになった。Yangらによると、この結果は現代より過去の方が遺伝的差異は確かに大きく、中国北部と南部の祖先集団の間には明らかな隔たりがあったことを示しているという。中国北部の古代人は遺伝子的に現代の東アジア人と最も似ており、一方、中国南部の古代人は現代のオーストロネシア人と類似点がある。この結果は1つの重要な遺伝的混合を実証している。新石器時代に北部の祖先集団が南方に拡散して中国南部のオーストロネシアの遺伝的祖先を変え、現代人集団の遺伝的特徴が生じたのである。

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