News Release

ブラジル貧民街におけるジカウイルス感染症に対するデング熱免疫の保護的役割

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究によれば、2015年の大流行時の、人口が過密なブラジル貧民街におけるジカウイルス拡大のモニタリングにより、南北アメリカ大陸のウイルス大流行に関する新たな見解が得られた。この結果は、ジカウイルスの伝染抑制に対する獲得免疫の影響(デング熱ウイルスに対する過去の免疫の保護的効果を含む)を強く示している。多くのジカウイルス(ZIKV)感染症は無症状であり、臨床症状が特異的ではないため、ウイルスの感染動態を特徴づけることは困難である。重要な不明点の1つは、デング熱ウイルス(DENV:ZIKVと類似点の多い風土病の病原体)に対する既存の免疫の役割である。DENV免疫がZIKV感染症への感受性または抵抗性に影響を与えるという仮説が立てられているが、いずれもヒトでは検討されていない。Isabel Rodriguez-Barraquerらは、ブラジルのサルバドル(2015年のZIKV大流行の中心地)での長期健康研究を利用して、都市貧民街コミュニティー内でのウイルスの伝播を特性評価できた。Rodriguez-Barraquerらは、2015年の大流行前後に行われた複数の血清学的検査結果を用い、検査を受けたコミュニティーの住人1435名のほぼ73%が大流行中に感染したことを明らかにした。さらにこの結果から、既存のDENV抗体の存在が、低いZIKV感染リスクおよび経験する症状が少ないことと関連していることが示された。しかし、Rodriguez-Barraquerらは、ZIKV発病率が非常に空間的な性質を持つことを指摘した。これは、大流行のみかけの終了後にウイルス伝播を受け得る感受性のある人から成る小地区がありうることを示す。Rodriguez-Barraquerらによれば、これらのグループは、全般的な免疫率の高さがコミュニティーにおける将来のZIKV大流行の障壁となることを示唆する、ワクチン試験のチャンスとなる可能性がある。

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