News Release

バーコード付き遺伝子改変微生物を使って食品汚染などを追跡する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

ユニークなDNAバーコードを組み込んだ合成胞子により、標識を付けて対象物の起源を追跡するための、非常にフレキシブルで分解能の高いシステムが提供される。研究者による新しい報告で、バーコードを付けた微生物胞子(barcoded microbial spores:BMS)システムという新しいアプローチが発表された。これは、食中毒の起源を特定するときに特に有用だと考えられる。対象物の起源を迅速かつ正確に決定できる能力は、野菜を栽培場所までたどることや偽物の製造を特定するうえで重要となり得る。現在の標識技術は、複雑な国際的供給網を考えると特に、大きな労力を要し、容易に破壊されてしまうことが多い。天然の微生物の偏在性、微生物の独特な集団、および対象物が自らの環境のユニークな微生物組成を取り入れる能力を考慮して、起源を決定するために対象物の微生物シグネチャーを利用することが、標準的な標識法の代わりになりうることが示唆されている。しかしこれも、広範囲で費用のかかる環境マッピングの必要性などさまざまな課題に直面している。今回Jason Qianらが、遺伝的に改変した微生物を持続的な分子標識として使用する新しい方法を報告した。Qianらは、SHERLOCK(新しい携帯型のCRISPRベースのDNA検出デバイス)などのさまざまなツールを用いて迅速に同定できる、ユニークなDNA「バーコード」配列を持つ枯草菌と出芽酵母の合成生育不能株を作製した。対象物や環境中に散布すると、BMSはさまざまな表面に数ヵ月間残留し、標識された胞子は接触した他の対象物に移動する。Qianらは、このシステムが食品の起源の決定と、食物汚染の起源の迅速な追跡に特に適用できることを示した。DNAにバーコードを付けたB. thuringiensisは,洗浄し調理した後も標識を付けた製品上で検出可能であった。関連したPerspectiveで、Jeff Nevalaが、このアプローチについてより詳細に議論する。

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