American Association for the Advancement of Science (AAAS)
炎症性腸疾患(IBD)とHIVの両方を罹患している患者に対するfirst in human試験で、IBD薬の投与によって、HIVに感染したT細胞の腸(感染の持続的なリザーバーとなっている)への集結が中断することが明らかになった。Vedolizumab(VDZ)と呼ばれるこの化合物は、いつの日か、HIVの治癒法の開発に向けた研究の取り組みに役立つと考えられる。現代の抗ウイルス薬はHIVを食い止めることはできるが、ウイルスを体から排除できる治療法はまだない。大きな障害の1つは、ウイルスが消化管の粘膜組織にあるT細胞に感染できることである。このウイルスリザーバーを減少させるまたは排除することは、HIV研究者の大きな目的であるが、安全で有効な治療を開発するにはさらに研究が必要である。今回、Mathieu Uzzanらが、消化管の特定領域への免疫細胞の移動を媒介するタンパク質であるa4ß7を持つT細胞に着目した。VDZ(a4ß7を標的としたIBDの現在最先端の治療薬)を、HIV陽性でもあるIBD患者6例に投与し、投与前後に行った血液検査と大腸内視鏡検査により30週間モニタリングを行った。VDZはT細胞の小腸への集合を妨害し、試験期間中、安全であったことが実証された。これらの結果は、抗a4ß7療法がHIV撲滅の探求における重要なツールとなり得るという考え方を裏付けているとUzzanらは述べている。
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