News Release

天の川銀河の3D地図を作成する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい報告によると、天の川銀河(銀河系)に何千個も散在する脈動星に対して、太陽からの距離を一つひとつ測定することによって、これまでにない大規模な銀河系の地図が作成されたという。この新しい3次元地図から、銀河系の恒星円盤が歪んだS字型をしていることが明らかになった。「われわれが作成した地図から、天の川銀河の円盤は平坦ではなく、歪んでねじれていることがわかりました」と、共著者は関連する動画で語っている。「個々の天体を用いて銀河系を3次元で表したのは今回が初めてです」。銀河系が螺旋形をした構造であるという現在の理解はおもに、目印となる天体の間接的測定と、宇宙にある別の遠方銀河からの推測に基づいている。しかし、こうした限られた観測結果から作成された銀河系の地図は不完全といえる。遠くの霧深い海岸に数多く建つ灯台のように、古典的セファイド(大質量の若い恒星で、太陽の何千倍とは言わないまでも何百倍も明るい)は一定の間隔で脈動しており、暗い天体なら覆い隠されてしまうような大きな星間塵雲があっても見ることができる。明るさが周期的に変化するので、こうした恒星の距離は正確に求めることができる。Dorota Skowronらは、銀河系にある2400個以上のセファイドの距離を図に記した。距離の特定をおもに行ったのは「Optical Gravitational Lensing Experiment(OGLE、光学重力レンズ効果実験)」というプロジェクトで、このOGLEは銀河系で既知の2倍を上回る数の古典的セファイドについて、距離特定を行っている。太陽を原点として遠方にある各脈動星に座標を割り当てることによって、Skowronらは銀河系の非常に正確な3Dモデルを作成した。この新しい地図は、銀河系の恒星ディスクが歪んだ形をしているというこれまでの観測結果を実証し、制約を助けるものである。

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