使用者に合わせた動作のサポートが行える外骨格システムが開発された。健常ボランティアでは、最適化した外骨格システムによって、使用者に合わせた動作のサポートを行っていないときと比べて歩行中のエネルギー消費量が平均24%減少した。外骨格は、例えば重いものを持ち上げる、リハビリ中のエネルギー消費量を抑えるなどの人の能力の促進に役立つ。しかし、人はそれぞれ独自の自然な動きをしている。すなわち、汎用的な外骨格では、人によって与える影響が異なる。例えば、ある人は歩くとき他の人よりも多く足首を回すかもしれない。より個別化した外骨格を作るため、Juanjuan Zhangらは、歩行時に使用者の足首をサポートする外骨格が補助パターンを微妙に変化させたときの、個人のエネルギー消費を測定するシステムを開発した。この場合、システムは4つの方法、すなわち、ピークトルク(回転)、ピークトルクのタイミング、持ち上げる時間、おろす時間、によって足首の動きのサポートを変化させる。このシステムは、約1時間の歩行で、どのパターンのサポートがその人が費やすエネルギー量を最低にできるかを見分ける。片方の足首のトルクサポートを最適化させた外骨格を用いたとき、ボランティア11名の歩行時のエネルギー消費量は平均24%減少した。両方の足首に最適化した外骨格を装着した1名のボランティアでは、エネルギー消費量が33%減少した。興味深いことに、最適化した外骨格を用いて追加の歩行ラウンドを行った参加者では、エネルギー消費量がさらに減少した。このことは、デバイスの使用時に使用者が自ら微妙に適応し、さらに最適化が行われる可能性があることを示唆している。Philippe MalcolmらによるPerspectiveで、この進歩について取り上げる。
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