News Release

オサイリス・レックスのカメラが撮影した小惑星ベンヌからの粒子放出

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

NASAの探査機オサイリス・レックスに搭載されたカメラによって、地球近傍小惑星ベンヌの表面から放出されている物質のクローズアップ写真が撮影された。これまでは大規模な現象しか観測されていなかったが、この画像から、活動小惑星における小規模の質量放出イベントを詳細に調べることが可能になった。知られているだけで2万個以上の地球近傍小惑星が太陽系を横切っている。地球から見ると、その大半は表面から小さなかけらが逃げ出している様子もなく、不活発に見える。まれではあるが、活発に塵や粒子を大量放出する小惑星も少数ながら観測されており、一時的に形成される雲や彗星の尾のようなものが地上の望遠鏡でも見える。活動小惑星の質量放出を説明するために複数のメカニズムが提案されているが、その過程はよくわかっていない。2018年、探査機オサイリス・レックス(Origins, Spectral Interpretation, Resource Identification, Security, Regolith Explorer(起源、スペクトルの研究、資源の確認、安全性、レゴリス探査機)、OSIRIS-REx)は、ほぼ球形をした直径約500メートルの地球近傍小惑星ベンヌに到達した。オサイリス・レックスの航法カメラで撮影された画像を利用して、Dante Laurettaらはベンヌ表面からの質量放出を詳細に観察した。その結果、画像で明るい光の点のように見える、センチメートル規模の小さな物体がベンヌ表面のすぐ上を飛んでいるのを確認した。さらに物質の軌跡を分析したところ、3つの別々のイベントで物質は表面から放出されたことが判明した。分析結果によると、放出された物体のなかには、ベンヌの軌道に数日間とどまった後に表面に再衝突したものもあれば、惑星間空間に逃げていったものもあるという。著者らは、微小隕石の衝突だけでなく脱水や熱応力による破砕も、粒子放出の原因として考えられると述べている。関連するPerspectiveでは、Jessica Agarwalが「ベンヌは、(地球から見ると)一見不活発な小惑星も、デブリが表面に再衝突したり惑星間塵雲に取り込まれたりといった複雑なダイナミクスをもち、それが小惑星の進化に未知の影響を及ぼしている可能性があることを示している」と述べている。

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