News Release

昆虫個体群の世界的な変化には減少と増加の両方がある

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

世界1,676の現場で行われた166の長期調査のデータを取り上げたメタ分析の結果が、新しい研究で報告された。それによると、広く報じられた「昆虫アポカリプス(絶滅)」はこれまでの研究で示されているよりはるかに微妙だという。この結果により、世界の昆虫個体群の動向は空間的ばらつきが非常に大きいことが実証されたとともに、増加と減少の両面があることも示された。昆虫は地球上で最も個体数の多い多様な動物で、生態系サービスや食物網において重要な役割を果たしている。しかし、昆虫の個体数と種の豊富さが激減していること ―― 10年当たりの個体数減少が25%にも上る地域もある ―― が世界各地で行われた最近の複数のケーススタディで報告された。世界規模だと考えると、このような研究結果は地球の昆虫が絶滅の危機に瀕していることを表しており、この兆候に政策立案者や科学者、一般人は大きな懸念を抱いている。しかしこういった警鐘にも関わらず、昆虫調査はかなり遅れており、このパターンの減少がどの程度広がっているのかも依然として分かっていない。これに対処するために、Roel van Klinkらは世界各地の現場で長期に渡って行われた昆虫調査から得た広範なデータセットを評価した ―― Maria DornelasとGergana Daskalovaは関係するPerspectiveでこれを「今日までで最も大規模で最も完璧な評価」としている。van Klinkらは、昆虫個体数の動向には隣接した地域にさえ大きな差異があることを発見した。差異は非常に大きいが、陸生昆虫の個体数は10年当たり平均約9%減少しており、他の公表データより低いもののこれが一般的な動向だと彼らは報告している。一方、淡水昆虫の個体群は10年当たり約11%の率で増加していることも発見した。これは一部浄水策の成功によるものと考えられる。「様々な昆虫の多様性の動向を解析する課題に引き続き取り組んで行くうちに、授粉、分解、害虫駆除といった生態系の機能やサービスにとってのそういった動向の結果をより的確に推測できるようになる」とDornelasとDaskalovaは書いている。

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